村上 仁美

むらかみ ひとみ



神話学の一説において、あの世とこの世といった境界を越えていく能力を持つ者は跛行している必要があると言われています。シンデレラ物語もまたその系譜にあるようです。
跛行の者とは、この世の大地に立つのがおぼつかない者…を義足として表現することがふさわしいと考えたのが「サンドリヨンの義足」です。
そして新作は、シャトレーヌ(chatelaine)をモチーフにした人形です。シャトレーヌは、主に18〜19世紀のヨーロッパで使われていた「装飾付きの実用品ホルダー」。腰(ベルトやドレス)に装着して、そこからチェーンで小道具を下げる構造になってる。この要素を人形に取り入れて、所有・支配され選ばされる運命の選択を表現するものになればいいと思っています。


この世ならざる姿形を携えて現れるヒトガタを通じて、人間の本質を映し出す表現がしたい



<profile>
1990 大阪府生まれ
2013 AAC2013最優秀賞、第一回H/ASCA展最優秀賞受賞。
2016 愛知県立瀬戸窯業高等学校セラミック陶芸専攻科 卒業
2017 愛知県立芸術大学大学院美術研究科彫刻領域修了
Bunkamura Gallery、GINZA SIX蔦屋書店、不忍画廊、高島屋などで個展・企画展多数。2024年より東京造形大学絵画専攻非常勤講師。
「魂の器としての身体」をテーマに、陶による人体表現を通して永遠性と霊性を探求している。